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吉田正明・Masaaki Yoshida

Emotion Channel

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みなさんついにrising magazine そして僕が音楽を紹介するEmotion Channelがスタートしました!これを読んでくれてるみんなは波乗りと音楽はライフスタイルに欠かせない存在、もしくはそのものだよね?サーフトリップで世界中の波を楽しむように世界中の色んな音楽に触れて欲しいな。音楽は気持ちよくて、あの日に戻れたり、好きだった恋人を思い出したり、目を閉じればどこにでもトリップ出来る最高なもの。
rising magazineとEmotion Channelで一緒に旅に出ようよ!!

「冷たいレゲエとTHE BAND」レゲエの誕生には諸説あるが、最も有名なのが「1966年の夏があまりに暑かったから」「踊るには暑すぎる。スローにしてくれ!」という観客の要求に応え、演奏していたスカのテンポを落として誕生したのがアーリーレゲエだ。70年代に入るとジャマイカの音楽シーンはラスタファリ運動が活発化し、メッセージ性の強いルーツレゲエが主流に。一方ロンドンではカリビアンコミュニティから生まれたラバーズロックはロックステディのスタイルにソウルフレバーを加え独自のメロウネスを生み出すことに成功した。そして日本では今や伝説のレゲエダブバンドMUTE BEATが80年代後半に登場。トランペットの小玉和文の哀愁を紡ぐメロディ、強靭なリズム隊、独特な疾走感そしてそれらを構築するダブサウンド。ボーカルなしのインストロメンタルだからこそ伝わる強力なメッセージと研ぎ澄まされた音世界。高校卒業したばっかの俺は衝撃を受けたよ。ノックアウトされもう25年以上経つがいまだ色褪せないし、今の音楽シーンを考えるとむしろ輝きを増してる。この世界観、サウンドは本家ジャマイカでは出せない日本、東京オリジナル、冷たいレゲエ。今回紹介するのはメジャー二作目アルバム「LOVER’S ROCK」前作にあったポップさはなくなりより深く純度が高くなった。小玉和文のトランペットはナイフ、リズム隊は鉈、ワビサビなメロディに乗せて怒り、喪失、鎮魂を淡々と深く深く刻んでいく。アルバムは1986年チェルノブイリ原発事故の直後にレコーディングされた。バブル景気で金と欲にまみれ躍らされた時代、当時アーティストとして作品でメッセージしたのはMUTE BEATとRCサクセションだけだった。RCは清志郎の一発でわかるボーカルと言葉で、MUTE BEATEは何も語らずにして、豊かに語る音楽で。俺はこの偉大なる二つのバンドに生き方考え方を変えられるくらいの衝撃と影響を受けた。今の日本色んな意見と考えがあるしメッセージ云々は苦手な人もいると思うけど、このアルバムは世界に誇る美しい芸術作品なので一度触れて欲しいな。何かを感じるはずだよ。平和への祈りを込めてアルバムからイアンデューリーのカバー「Lalabye For Francis」と「キエフの空」を紹介。

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MUTE BEAT「LOVER’S ROCK」(1988年発売)

写真2
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偉大なるソウルマン忌野清志郎の影響でオーティスレディング、STAXサウンドやTHE BAND、ドアーズ、T-REXが大好きになった。そんな中から紹介するのはTHE BAND何と言ってもバンド名がイカしてる!60年代から活動していて70年代には素晴らしいアルバムを何枚も発表した。フォーク、カントリー、R&B、ブルースを土台にした派手さはないが地に足着いた優しく力強いバンドサウンドはアメリカンミュージックの結晶でお手本。世界中多くのミュージシャンやバンドマンを虜にし、ボブディランがバックに起用したり、ビートルズのジョージハリスンにTHE BANDみたいな音楽がやりたいと言わせるほど。こういう音は古くなるどころか時が経つに連れてさらに輝きを増すばかりだ。アルバム一枚を言われたらやっぱりファースト1968年作「Music From Big Pink」でしょう。ジャケットのイラストはボブディランの手によるもの。歴史的名盤、名曲満載の中からお届けするのは「The Weight」「俺は旅人。重い荷物をもってここまでやって来た、下世話はことはどうでもいい、俺はゆっくり眠りさいのさ」そんな歌詞です。人生や生き方に疲れたら魂をここに落とせばいい、そう教えてくれている。世界中の人々が、ゆっくり眠れるように願いながらこの曲を贈るよ。

そんなグレートなTHE BANDのDNAを受け継ぐ新人バンドがアメリカにいた!古い音楽しか聴かない俺がこいつら知った時は衝撃を受けた。フロリダのバンド、JJ GREY&MOFROだ。THE BANDをもっと重くスワンピーにしてザクザクなギターに不良で猥雑なボーカルにホーンが絡む。これで興奮した君はかなりの南部好きだね。かっこいいのに古いとか新しいとかなナンセンスだね。アメリカのオルタナティブシーンでこうした音楽が評価されるのはやっは歴史つうか伝統だな。今回最後にお届けするのは彼らの6作目、2013年発表「THIS RIVER」からタイトルチューンを。スローなバラードでオーティスレディングや黄金のSTAXサウンドを彷彿させる美しい曲です。聴いてグッときた君はこの美しい素敵な河を渡れるよ。

写真3
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Text by Masaaki Yoshida


Author profile

Channel Emotion Channel
Personality 吉田 正明 Masaaki Yoshida
1969年3月12日 生まれ
血液型 A型
Coment 音楽×アート×波乗りを独自の展開、活動するRockin'Bodyboarder
音楽もアートも波乗りも本質的な部分は同じ。
個人的関心に基づいて普遍性を持たせる表現でありメッセージ。
古くても新たらしい素敵な音楽をPUNKな精神、
ROCKなセンスでSOULを込めて紹介します!

 


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